メダリオン(原題:THE MEDALLION)

 


 ジャッキー・チェン、生誕50年&日本公開作品50本目記念作だそうです。

その、50本のカウントの仕方がイマイチ不明なんですよね。パンフレットを読むと、50作の一覧があるのだけど、作品によってはゲスト出演もカウントされているのです。なのに、その割にはチャウ・シンチーの『喜劇王』がカウントされていないですし。だから、間違いなくこの映画は日本公開50作目ではないでしょうね。

 

 そんなツッコミはさておき。

ジャッキーはこの映画で初めて死ぬ役を演じます。死んでしまった彼が、聖なるメダルで甦り、不老不死の体と超人的な身体能力を手に入れると言う作品である・・・程度の予備知識は予告編を観て得ていました。だから、予告編で観る事の出来た彼お得意のアクションは全てメダルの力によるものなのかな?と思っていました。だから『タキシード』に続き、主人公の本来の身体能力ではない力でアクションをする映画なのだと思っていました。そう言うのって、ジャッキーがアクションをしているに違いないのですが、どうしても好きになれないなぁと思っていたのですが・・・

 

 ところがどっこいです。予告編で観たアクションは、主人公の本来の身体能力でこなしているアクションだったのです。登ったりくぐったり飛んだりと言った、ジャッキーお得意のアクションが満載で凄く楽しめました。特に中盤に差し掛かる前の、黒人を追跡するシーンのアクションの連続は、全編これだけでも良いと思えるぐらいの出来。この追跡劇には予告編で観たシーンも含まれていたのですが、僕の認識が間違っていた事を脳内で改めるだけでこうも楽しめるとは。さすが!でした。

では一体メダルによる能力とは?そう。物語りが後半に入ると、メダルの力によってジャッキーの身体能力が飛躍的にアップします。ひとつジャンプをすれば誤って天井を突き破るほどのジャンプ力。刺されても撃たれても死ななくなるし、ビルから落ちる時も単に引力に任せて落ちるだけ。そして無傷。VFXをバリバリに駆使したジャッキーアクションに変わるのです。VFXショボいし、はっきり言って、ここからは全然面白くなくなります。この先はジャッキーのアクションを観ている気がしなくなります。だいたい、誰がジャッキーのビル落下シーンを合成で観たいだなんて思うんだ。なんでこんな映画作ったのかなぁ。

 

 今回相方を演じるリー・エヴァンスがとても面白かった。主にコメディ担当なのだけど、『シャンハイ』シリーズのオーウェン・ウィルソンは当然ながら、『ラッシュ・アワー』のクリス・タッカーよりも面白かったと思います。リーと生身のままのジャッキーが事件を解決すると言う、ごく普通のアクション映画の方が断然面白かったんじゃないかなぁ。ま、メダルが存在したから今回の一連の事件も存在するのですけどね。

 

2004年7月6日追記:

 どうもいろいろ調べていると、ジャッキー・チェンが死ぬ役を演じるのは初めてではなさそうですね。ごめんなさいでした。

2004年6月20日鑑賞


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